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席はすぐに譲れ

2010年09月01日 03:00

地獄列車



新宿から山手線で内周り、浜松町まで行った。
代々木、原宿と過ぎ、渋谷につくと大勢の人が降りていく。
空いた座席に腰を掛けて、先ほどまでの混雑の疲れを『ほっ』と吐き出す。
右隣には同じく渋谷の恩恵を受けて、ようやく座れた初老の男性が座っていた。

渋谷で降りる人も多いが乗る人もまた多い。
一瞬ガランとした車内もつかの間、すぐに大挙して押し寄せる人並み。
その中で杖をついてヒョコヒョコしてるこれまた初老の男性がいた。
その姿をみるやいなや、右隣に座ったばかりの新宿からの戦友があっさり席を立ち『どうぞ』と席を譲った。

私は拭い去れない敗北感を感じた。
自分も初老のくせに、混雑した電車で新宿から戦い続けて勝ち取った座席をこうもあっさり引き渡すとは!!
一足出遅れた自分に対する後悔が募る。
そして隣に座ったヒョコヒョコ初老は何故か汗だくで大変くさかった。


ここでも敗北感を!

私は羨んだ。
サッと席を譲ったあの初老男性を。
『うまくやりやがって!』恥知らずにもそう毒づいた。

欲しいまま。名声欲しいままだっ

あの初老は席を譲ったという誉とともに、この臭さから逃れている。
一方私はといえば、若いのに席を譲らずそしてこの悪臭に耐え切れない。
右は臭し!
一服の清涼感を私は左隣に求めた。

左隣はおばちゃんだった。それも何故かお菓子を食いまくっている。
せんべいは匂いがすごい。
ポリポリポリポリ食べてはお茶を飲み、せんべいを食べつくすとこんどはクッキーを出した。
そうして次から次へとカバンからお菓子が出てくる。
おいおい、これは未来のポケットか?
お前のカバンはお菓子だらけだな?
とにかく食べ続けていた。

ダブルバインドだ。
どちらも臭い。
即座の立とうとしたが、ふっと頭をよぎる思い。
今譲ると、今譲ったあの初老男性に席を譲ったようではないか?
そのシチュエーションを思うと、それだけで私の膝は笑った。
オカシイだろう、そんなの、オカシイだろう?

席譲った人に席譲るオレ。

そんなオレに誰か席を譲ってくれたらもう世界は薔薇色ハッピーじゃないか。
出来なかった。世界を薔薇色に染め上げる事はできなかったよ。

根性なしの私はそのまま両脇から迫り来る悪臭に耐え、身も心もすり減らして浜松町への道のりを進んだ。
もちろん膝を握り締め、唇を噛んで。。。
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コメント

  1. 私 | URL | -

    Re: 席はすぐに譲れ

    その初老の男性は私です。
    私の芝居も遂にここまで来ました。あなたに気づかれずに横に座る。ハハハ。あなたには分らなかったでしょう。あたなが戦友と呼ぶその者も私とともに芝居をしたものなのです。
    が、しかし、悪臭だけは芝居では消えませんでした。。。まだ修行が足りません。
    またお会いしましょう。

  2. りゅぢ | URL | -

    >私

    いやいや怖いなそれ。
    日常彩るすべてのモノが誰かの演出だとしたら。
    ふむ、作られた人生、自分じゃない誰かに作られた人生。

    それもよし。

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