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歳月:溢れたから書く話

2010年02月16日 15:52

その後



百年もの間、奴隷をやっていたから百年経った事に気づかなかった。
初めの一年は気の遠くなるような、それこそ一日が百年のように長かった。
毎日が苦痛の連続であり、朝起きると絶望の淵に沈んだ。
『あぁ、今日も一日が始まる。あの律儀に昇ってくる太陽が恨めしい』

そうこうしてる間に、三年が過ぎた。
どういう心境の変化か、朝日を浴びると生命を実感するようになった。

五年目がやってきた時、この状況に安堵している気がして慌てて否定した。
窓の外を眺めて自由を渇望し、自由に憧れた。
自由に外を走り、自由に恋をすることを求めた。
それが自由であると信じてこの状況に絶望した。

七年が経った時、全ての考えを捨てた。
考えてみたところで何も変わらない、それに気づいてしまったからだ。
なされるがままに流されること、その方が随分と楽なのである。
『LET IT BE』
どこかで聞いたそのサビが流れてきた時、あぁあの歌はこのことを言ってたんだなと思った。
それが最後の『考え』であったと思う。

気づくと十年が過ぎていた。
それ以降の歳月の流れは覚えていない。
もはやあれが何年の時の出来事か、十も二十も五十も百も同じである。
昨日のことのようであり、はるか昔のことのようでもある。

そうして百一年目を迎えた。
私が自由になって一年目である。

今日、この一日がとても長い。
まるで百年かのようだ。
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