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夢中夢

2009年09月10日 06:24

続編



夢の続きが見たい、そう思って見れたためしはおありか?
りゅぢ氏は続きが見たくない!と心底願ったにも関わらず続きを見せられる羽目になった。何故?


夕暮れ時の黄昏の下、豆腐屋のポーペーと吹く笛の音が響いていた。


夢の中で気づくと、りゅぢ氏は小林くんの家にいた。
2Kの手前はフローリング、奥は畳がしかれている部屋で突然の意識の覚醒。
フローリングの部屋にはコタツが置いてあり、りゅぢ氏はその中で眼が覚める。
サイドテーブルの上にはゆらりゆらりと手を前後する招き猫が置かれており、その手の動きを寝ながら目で追っているりゅぢ氏に小林くんは声をかける。


『これから友達がくるからコタツに隠れてて』


言われるがままにコタツに潜り込み息を殺していると、“友達”はやってきた。
奥の畳の部屋でヒソヒソと会話をする彼ら。
断片的に聞こえてくる声は、『刑務所』『水』といったおよそ脈絡ないものだった。

「何の話だろう?」

そうりゅぢ氏は思った。
だが考えている間にも、コタツの赤外線はりゅぢ氏の身体を焦がし、正気を奪っていく。

暑い

遠赤外線効果により頭の中が会話の推察から“暑い”一色になった時、りゅぢ氏の意識は暗闇の奥底へと沈んでいった。


目覚めると見慣れた自分の部屋の本棚が見えた。
戯れに水泳帽を被せたヒヨコの人形が目に入る。
あの話はなんだったのかな?“友達”は誰だったのかな?夢うつつ定まらない思考をぶら下げて、ボンヤリと虚空を睨んでると徐々にすっきり澄み渡っていく。
あぁ、そうか。夢だったんだな。

えーと・・・そうだ、刑務所に行かなきゃ。


まだ寝ぼけていたのだろうか?刑務所までどうやって行ったのかは覚えていない。
気づくとりゅぢ氏は刑務所の前に立っていた。

「また来ちゃったよ」

確かにりゅぢ氏はそう思った。
その心中は苦々しく、できれば来たくないと感じているのは明らかだった。

コタツに押し込まれて放置されたりゅぢ氏はあの後生死の境をさまよい、それによって小林くんは刑務所に入れられた。
今日はその小林くんとの面会する日である。

何度目とも知れない地下へと続く坂道をくだり、ゲートに辿り着く。
名前を述べるとバーがあがり、看守のいる部屋へと通された。


『広い部屋の真ん中にペンギンの像があるから。招き猫の手招きには応じちゃいけないよ』


そう看守は言い、りゅぢ氏を通過させた。

扉をあけるとそこは言われたとおり広い、だだっぴろい部屋で、どこまでも白かった。
小林くんはどこにいるんだろう?こんなん急に襲われたらどうするんだろう?そんなことを思いながらも歩いていくと、ペンギンの像と招き猫の怪しい誘惑があった。


『招き猫の手招きに応じちゃいけない』


そんな看守の言葉が蘇る。
遥か遠くをみると、小さくなった招き猫があり、さらに向こうで手招きしている。
看守の言葉を忘れたわけではなかったが、その怪しさにりゅぢ氏はあながえなかった。

招き猫の手招きに応じると、さらにその遠くに手招きしている猫が見えた。
それに応じるとそのまたさらに向こうで招いている招き猫。
どんどん奥へと進んでいく。
後ろから看守の『そっちにいくな!』という大声が聞こえた。

『戻って来い!戻ってくるんんだぁああぁあーーー』


もはやりゅぢ氏は招き猫の招きに応じる事にある種快楽を覚えていた。
この道は安全、そう確信にも似た思いを胸に看守の制止を無視して突き進む。


『チッ』


耳元で憎憎しい舌打ちが聞こえた瞬間、眼が覚めた。
豆腐屋の吹く笛の音が遠くに聞こえた。
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