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できる男、できない男

2009年09月02日 18:24

父。



『りゅぢ、ご飯炊けてるぞ』

父よ、いつの間にご飯を炊くなどという高等技術を身につけたのだ?
桃栗8年、柿10年といってな、ご飯を炊くにはそれ相応の積み重ねが必要だというのに、そんな努力をしていたなんて気づかなかったよ。
へへ、父よ、成長したな。

うちの父はご飯を炊けない人間(バカ)だった。
なんも出来ない人ってのはいるもんで、スイッチ押すだけじゃんと思うだろうけど、それすら拒否したある種誇り高き人種だった。
それが今日、一言めが『ご飯炊けてるぞ』。

あれか?気づいたら勝手に炊けてた、妖精的サムシングが炊いてくれてた的な受動的な話か?
それだったら納得だが、現実に父がスイッチという禁断のボタンをその人差し指で押して自ら生産した模様だ。
相変わらず、『これは違うから、絶対に使わないで!ご飯用じゃないから』と100万回言われ続けているしゃもじを使ってご飯をよそったようだが、確かに炊けてた。
多分、早炊きなんて出来っこなく、コンセントにさしてワンタッチしただけだろうけど、炊けてた。

父よ、成長したな。


そうして父の炊いたご飯を食べた。
固めのご飯が好きな私はちょいとこれ柔らかいよねって感じだったけど、それは父のせいではない。
なぜなら、この父はボタンを押しただけだからだ。

ご飯を食べている私の隣に、意中の乙女だったらちょっとドキドキしてご飯食べれないよ!ってくらいの距離に父は座る。
椅子をわざわざ移動してきて隣に座る。

『どう?私の炊いたご飯、おいし?』

そんな距離感が妙に、いやすまん、かなり居心地悪い。
くどいようだが、意中の左利き乙女であればこれはもうドキドキしてご飯をた・・・(自粛)

だが現実問題隣に座ってたのは、まぎれもなく我が父であり、むさくるしい事この上なく、一体なんでこんな近くに座っているのだか、一言も発しない父まぢうぜぇ。


『これが10円札だ』


思い沈黙を破る一言めが、『これが10円札だ』であった。
なんで?どして?聞いてないんだけど??
あー、見えるかな?ボクね、今ご飯食べてて、なんならテレビも見てる。
10円札みたいとか、それ誰かと間違ってない?


『そしてこれが1円札だ』


あれー続いちゃったよ。
まだあんの?どして?なんで?もうあっちいってくんないかなー。

なんつーかなー、もうね、いないものとして扱うしか術がなかった。
へーとかふーんとか、そういうのって相手にしてあげてるじゃない?
それすら拒否、存在の拒否。
父はこの場にいない。
それが今できる最上の策だった。

そもそもだ、ご飯を食べている私の隣で、なぜこいつは剣道着を着ているのだ?
くっさいんだけど!めっちゃくっさいんだけど!
うっざいんだけど?めっちゃうっさいんだけど!?

わざわざ剣道着に着替えてからご飯を食べている私の横にきて、『10円札、1円札』とか言っている父を見て、

「早くどっか行ってくんねぇかな」

とりゅぢ氏は思ったという。

「誰でもいいからこいつを連れてってくんねぇかな」

とも思ったという。
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