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イイワケ(中篇)もう長くなりすぎてどうでもよ・・・

2009年08月06日 12:34

困った事に中篇である。
イイワケするのも楽じゃねぇ。
もう長くなりすぎて、いきなり言ってしまおうか?いや、やめようか?
ただのイイワケであることを念頭において、それでもよければ。。

前編
~~~~~~~~~~



老人は思い出を買おうと言った。



『そろそろ会えると思ってました。』

意味深に微笑み老人は言った。
久しぶりに会ったというのに旧来の友かのような安心感が私を包む。
口を開きかけた私に老人は家に来るよう言った。
老人の後に続き、歩いていく。
神社の境内を通り抜け、わき道から外へとでる。
細い砂利道を歩いていき、オレンジのライトが照らす純和風な家が老人の家であった。

『遠慮せずあがりなさい。』

そういうと奥へと老人は消えていった。
庭に面した長い畳の部屋に座り、外を眺めると小さな鳥居があった。
鹿威しが静寂を破る音を響かせる。
対面の襖がひらきお盆に茶を載せた老人がやさしく微笑みながら言った。

『さて、今日はどうしたのかね?』

私は全ての思い出を老人に話した。
二人で行ったネズミの王国、浴衣で見た花火、川で仲間たちとしたバーベキュー。
その情景が昨日の事のようにありありと目に浮かぶ。
静かに、浮かべた微笑を崩さずに聞いていた老人が、一通り話したところで口を開く。

『つまり、君はまだその娘の事が好きなんだね?』

その言葉を聞いた時、スッと心の霧が晴れ渡った気がした。
そうだ、私は彼女が好きなんだ。
別れた事でもう彼女とは終わりであると思い込み、見返りをもらえない気持ちを溜め込んだ為にこんなにも鬱屈としていた。
『好き』、彼女にその気がなくとも自分は彼女が好きだ、そう思えばなんだかすっきりした気持ちになった。

ところが老人は言った。

『忘れた方がいい。例えば君がしている指輪。それは彼女とのお揃いだろう?捨てた方がきっと楽になるよ。』


捨てろといわれて捨てられるほどキッパリしてない私は動揺した。
これは彼女との思い出の品。これを捨てたら最後、か細いもはや糸のような彼女との縁が絶対的に切れる、そんな気がした。
その動揺をお見通しであるかのように老人は言う。


『捨てられないのなら、その指輪を私が買ってあげます。君の思い出も含めた値段として相応の額をだしましょう。そのお金で楽しい思い出をつくればいいでしょう?何、また必要となれば君が買い戻せばいい。』


老人から渡された封筒はずっしりと重たかった。
どうせいつかは捨てなくてはいけない指輪である。
思わぬところで大金を眼にした私は、そう自分を言い聞かせ指輪を渡し封筒を受け取った。
しかし一抹の疑念を抱かないわけでもなかった。
なぜこんな指輪に大金を?そう問いかける眼に老人はさらりと答えた。


『お金があるからといって幸せではないのですよ。若い頃、必死で働いた私はこれと言った思い出を作れずにきてしまいました。今、この年になって人に話せるものがないというのはとても寂しいこと。ですから、指輪と一緒に思い出を買ったのです。』


老人の家を後にし、オレンジの灯りに照らされた砂利道を通り来た道を引き返す。
わき道から大国多摩神社の境内に入り、石畳の参道を歩いた。
再び鳥居をくぐってけやき並木に出た頃には、不思議とあれほど引きずってた彼女への想いはきれいさっぱりと忘れていた。
そんな事よりも、このお金の使い道を考える事にワクワクとした思いで一杯だった。


大学も冬休みに入り、手に入れたお金で年越しを東南アジアですべく私は一人で旅立った。
年が改まり帰国した私は、この旅のお金を出してくれた老人にお礼のお土産を渡すべく再度家を訪ねた。
相変わらず若々しい姿の老人は、一目みるなり『焼けたね』とにっこりと言った。

旅の話を楽しそうに眼を輝かせて聞いていた老人が、話がひと段落した頃に遠慮がちに尋ねてきた。


『その様子だと、彼女の事はもう完全にふっきれたようですね?』


「彼女?はは、何の事です??」



~~~~~~~~
くどいようだが、この話はイイワケである。
そして、あまりに核心の部分にたどり着かないので、自分でももはやめんどくさくなってきた。
それほどもったいつけるべき大したイイワケでもないからである。
そんなわけで、続く(かどうかわからない)。
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