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イイワケ(前編)、しかも大したイイワケでもない

2009年07月30日 23:12

その老人は老人と呼ぶには余りにも若々しかった。



私と老人の出会いから、はや数年がたつ。
大国多摩神社の鳥居をくぐった辺り、大学をサボって木漏れ日散歩をしていた私に話しかけてきたのがその老人であった。
齢70をとうに超えていたはずであるが、艶の或る肌、豊かな髪、みなぎる生気、そういった全てのものが老人を若く見せていた。

『暑いですね』

そんな在り来たりなコトを話しかけて来た気がする。

「えぇ、そろそろ夏が来ます」

適当な相槌を打ちながら、その場を去ろうとした私であったが、それが出来なかったのはやはり何かしらその老人に感じるものがあったのであろう。
当初、老人の話を一方的に聞いているだけだった私だが、気づけば自分がしゃべっているコトが多くなっていた。
あれ?初対面の老人になんで私はこんなにも話しているのであろう?
夢中になって話をしてるうちに、辺りは茜色に包まれ始めていた。
カラスの哀愁溢れる声、セミの騒がしい音色、揺るぎ始めた暑さ。
大国多摩神社はまもなく夜を迎える。


『私は、この歳になるまで生きてきたが、これといった思い出がないのです。だから若い方の話を聞くのがとても楽しい。もし、キミさえよければまた大学の話、旅行の話、恋人の話、いろいろと聞かせてもらえたらうれしいです。』

そういって老人は去っていった。
連絡先を交換しなかったが、『また会えます』とやけに断定的な言葉を残して暗闇に姿を消していった。
それからしばらく老人と出会う事はなかった。
変わらず大国多摩神社の鳥居の下で老人は待っている気がしたが、なんとなく足を向ける機会もなかった。
そうして夏が終わり秋になり、冬の姿を確実に感じる季節となった。

忘れもしない11月中旬、私は当時付き合っていた女性に突如振られた。
理由も分からず『さよなら』と言った彼女は、私の元を去っていった。
鬱々と、誰に話しても気が楽にならない毎日の中、大国多摩神社へ行こうと思ったのは偶然であったのか。
理由はないが、老人が鳥居の下で待っている、そんな確信にも似た想いが私にはあった。

コートをはおりマフラーを巻く。
家をでてまっすぐ老人のもとへと歩みを進めた。
夏とはまた違った趣を表す大国多摩神社、遠目から見たその鳥居の下に老人の姿は見えなかった。
老人が私を待っている、そう確信を抱いていたのであるが、まぁそんなに都合よくもいかないよなと自嘲気味に笑う。
旧甲州街道の横断歩道を渡り、鳥居をくぐって数歩歩いた時、『やぁ、来たね』と後ろで声がした。

驚いて振り返ると、相変わらずの若々しさをした老人がそこに立っていた。
艶の或る肌、豊かな髪、みなぎる生気、そういった全てがそこに老人の存在をしっかりと主張していた。


~~~~~~~~~~~~
ちなみにこの話は言い訳である。
長い長い言い訳である。
それを踏まえた上で、続く(かもしれない)。(未だ言い訳の部分は出てきてないほど長い言い訳)
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コメント

  1. ウーロンハイ | URL | mtoWriCs

    Re:

    続編、気になります。ぜひ。

    ところで勝手にリンク貼らせてもらいました。

    よろしくです。

  2. りゅぢ | URL | -

    >ウーロンハイさん

    どーも。
    実は結構前から『まがいもの』読んでますよ♪

    このお話はほんとにどーしよーもないイイワケですから、あんまり最後まで知りたがる事はお勧めしません(笑

    リンクありがとうございます。
    こちらからも貼りますねー。

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