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雑木林からついてくる

2009年06月15日 02:50

足音だけが聞こえる、そんな経験あるでしょう?



ボクが小学生の頃、どうにも怖く苦手な雑木林が近所にあった。
春になるとシダレ桜が咲き乱るる大きなお寺の裏側にあり、きっと防風林的な役割を担っていたのだと思う。
どちらにしろそこの林道は真夏の昼間でも真っ暗であり、小学生のボクにはとても一人で通ろうと思えるような道ではなく、お墓がその奥に並んでいる思うとなおさらのことだった。

学校から帰るにあたり、その雑木林を通らなければ物凄い遠回りになってしまうのだが幸いなコトに、林の中を突き抜ける道とは別に中を通らず脇を通る道もあった。
こちらの方は林道というレベルではなく、一方通行ではあったが車も通れる道であり、左側は住宅が連なっていた。
住宅があったからこそ、右側の暗闇に怯えながらも安心してその道を通るコトができた。

林に入っていく道は上り坂になっていて、その道が暗闇に吸い込まれていくような錯覚を覚えた。
坂の途中にある電話ボックスの弱々しい光が、なおのこと心細さを助長させた。

『何故あんなところに電話ボックスが?』

当時ボクらの間で思わないものはいないくらいの疑問であり、不気味さ故の謎に尾ひれがついて呪いの電話ボックスと化していた。

『あそこの電話ボックスで昔事故があったらしいぜ』
『電話していた女の人がダンプカーにボックスごと吹っ飛ばされて死んだらしいよ』
『あそこの坂ってもともと処刑場だったんだって』
『乳母車を押していた人がちょっと目を離した隙に乳母車だけ下に走って行っちゃって、運悪く下を通ってたダンプカーに跳ねられたらしい』

とにかく、あの坂と電話ボックスにまつわる怖い話には事欠かなかった。

ある日のこと、その日は運動会の準備だかなんだかで遅くなってしまった。
小学生の遅いだからたかがしれていて、17時とかそこいらだったと思うが、夕暮れのオレンジ色の眩しさが暗闇の訪れを教えていた。
あの雑木林の傍を通ることを思えば、早く帰らなきゃと自然と早足になった。
そしてその道の入り口に当たる場所にたどり着いた時、ボクは遠回りをしようかと悩んだ。
それほどまでに、夕闇をまとった雑木林はおどろおどろしく、時折聞こえるカラスの鳴き声や木々のゆれる音がなお一層背筋を震わせた。

『いや、遠回りすると遅くなってお母さんに怒られるし_』

うん、左側には家が沢山あるし、いざとなったらピンポンおして助けてもらおう。
そう決心し、なるべく右側の暗闇は見ないように急いだ。
15メートルほど歩くと、林の中に入っていく上り坂との分かれ道にでる。
上り坂には眼をやらないように下を向いて通り過ぎようとしたが、突然チカッと弱々しく光るものが眼の端にとまり、ついつい坂の方を見ると電話ボックスに光がついただけだった。

不用意に眼を林に向けてしまったコトへの後悔と、ただ電話ボックスに光がついただけであったという安堵。
たまたま林に眼を向けて何かを見てしまう。そのことがもっぱらの恐怖であったので、何でもないただの点灯であったと分かったボクは安心してホッと息を吐いた。


ペタッ


あれ?

『足音がズレている』
そんな気がしたのは安堵したことで心に余裕ができたからか。
どうにも自分の歩みと足音がズレている気がしてならない。

ペタッ(タッ) ペタッ(タッ) ペタッ(タッ)

誰かが後ろにいる気がする。でも怖くて振り返れない。
『誰かいる』コトが怖いんじゃない、『誰もいない』コトが怖いんだ。

どう考えても1拍子遅い足音、ボクは怖くなって走り出した。全力で走った。

ペタッ(タッ) ペタッ(タッ) ペタッ(タッ)

急いでも急いでもついてくるちょっと遅れた足音。
雑木林を過ぎてもそれはついてきた。
角を曲がりとうとう家にまでついてきた。
ボクは玄関の取っ手を掴み急いで引くが、鍵がかかってる。
乱暴にチャイムを押しまくり、あわてた母親が急いで鍵を開けてくれる。


『どうしたの?そんなにあわてて』

そう聞かれても、帰り道にビビッてたなんてかっこ悪くて言えやしない。

「いや、なんでもないよ」


そう、その時は無事家についた。なんでもなかった。


つづく(つづかないかもしれない)
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コメント

  1. K | URL | -

    続きがめっちゃ気になります!
    う~足音の正体は?

    私もそんな覚えがあります。
    電話Boxが不気味でいまだに通るときは早足になります。
    まだあるんですよ!小学生から○○年たってるのに!

  2. RUTY | URL | -

    Re: 雑木林からついてくる

    続けてね? (←なんとなく卑猥。ww)

  3. りゅぢ | URL | -

    >Kさん

    そうなんですよねー、独りで歩いてると心細いせいか足音が聞こえたり誰かにつけられてるかのような錯覚感じるんですよね。
    ボクは霊的なものをまったく信じてないので錯覚だと思うんですが、それでも振り向くのってなんだか躊躇しちゃう怖さ。

  4. りゅぢ | URL | -

    Re: >RUTYさん

    > え~どうしようかなぁー、明日朝早いんだよなー(←やっぱり卑猥、そして甲斐性なしw)

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