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アカルイミライ

2010年12月21日 04:53

世相



『ぅおぉいっ!!』

座席が埋まってちらほらたっている人も見られる夕方の電車内で怒声が響く。
のめり込むように文字を追っていた本から目をあげて見ると、ひとりの爺さんが吼えていた。

『この野郎、なんだてめぇ、やんのかコラ!』

競馬場だか競輪場だか、そこいらにいそうな“クソ爺”に分類されるタイプの容貌である。
一方そのクソ爺に怒鳴られているのはまだ若い真面目な風貌の大学生風の男だ。

『んだぁーコラ、その目は?ぶつかってきやがって』
「電車は降りる方が優先ですよ?マナーでしょう?」

戦闘、開始。

口舌まさに火を噴く争いが始まった。
りゅぢ氏はといえば持っていた本もそっちのけで夢中になって見入っていたという。
とは言え吼え続けているのは一方的にクソ爺の方である。

『やんのかコラ?かかってこい!』
『だが殴らねぇぞ、殴ったら訴えるつもりだろう?そうはいくかってんだ』
『俺とお前がやりあったら俺が勝てる・・・かは分からないっ!』

まことに迷勝負、言ってる意味がわからないっ。
『かかってこい、こっちに乗ってきやがれ』のクソ爺の言葉に「あっちの電車に乗るから降りたんです」の大学生風の返しで電車の扉がプシューと音をたてて閉まる。
『ざまぁみやがれ』とおっしゃるクソ爺に“なにが?”と乗り合わせた誰もが思っただろう。

『ああいうやつが日本を駄目にするんだ』

そう傍に立っていた見知らぬ女性に毒づいた。
その後終点新宿までの間、両手でつり革を掴み、なんだかサタデーナイトフィーバーのようなポーズで立っていたクソ爺は、りゅぢ氏からは後姿しか見えなかったがどうにもネットリした雰囲気を持っており、おそらく、いや間違いなくドアの傍らに立つ女性を視姦していたと思われる。
ときおり話かけているが俯く女性、ちょいちょい手を出しちょっかいするが俯く女性。

これはオモシロい事になってきた。
ここでもし仮に“キミやめたまへ、今すぐやめたまへ、それやめたまへ”と颯爽とクソ爺と女性の間に立てば一躍時のヒーロー、この後の女性の夜のタイムは私のものになるに違いない。
しかしながらそのような棚ボタを狙うような矮小な根性、紳士たるりゅぢ氏は微塵も持ちあわせておらず、私は男根で生きているに非ず、“オモシロき事は良いことだ”という人生哲学に基づき静観を決め込んだ。
誤解されては困るのだが、この判断に女性の容姿は関係ない。

その後もちょいちょいちょっかいを出す姿を事細かに観察していたりゅぢ氏はますます面白いことになってきたぞ、と無責任にも思い、なんつーかあれだ、新宿についてドアが開くと同時に後をつけた。
一応好感度というものを気にして副菜が如く付け合せておくが、なんらかの危ない事態に陥ったら助けるつもりでいた!今日、北斗の拳を全巻読んでる事が役にたつかもしれない。
私の北斗神拳、存分にあじわせてやろう。

しばらくは離れて歩いていたが、クソ爺急接近。
まずつっつく。払われる。腕を組もうとする。振り払われる。声をかける。急いでますからと言われる。つっつく。払われる。声をかける。無視される。

一旦離れて、、、再度トライ。

やっぱり無視されて終わる。
ナンパに失敗したクソ爺は毒づいた。


『お前みたいなやつが日本を駄目にするんだ』

どういう未来をご希望で?201X年、その未来がくるであろうか。
たとえ来たとしてもクソ爺がそれを見る日は来ないだろう。
なぜなら“お前はもう死んでいる”。
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コメント

  1. ミライガホシイ | URL | -

    Re: アカルイミライ

    良い位置に立っているものは難なく良くなれるものを。
    そのおじいさんは全ての毒を引き受けて生まれたのです。まるでキリストのように生まれたときから十字架を背負っているのです。アーメン。

  2. りゅぢ | URL | -

    >ミライガホシイ

    そうすると今日の受けるはずだったみんなの不幸を彼が背負ってくれているわけですな、アーメン。

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